Agroecologyを勉強中!!

Agroecologyをキーワードに、トビタテ留学でカリフォルニア州で農業インターンしたり、キューバに渡航したり。生態学をフル活用した農園を作って、自給自足したい!生態系のごとく厳しく複雑な今日の農業ビジネス界で、理想を実現しながら、しぶとく生き残るためにニッチを模索中。

無農薬の遺伝子組み換え作物なんて、まず食べてないって!

つい先日、道を歩いていると、日本からアメリカのカレッジに留学している方々とお会いして、軽く雑談をしていたときのこと。

自分が農学部であることもあって、

遺伝子組み換え作物って体に悪いんですか?

と尋ねられました。

結論から言えば、「悪い」と答えました。ただし、文脈を汲み取った上で。

この遺伝子組み換え作物って体に悪いんですか?」という質問文は細かいことを言えば、ナンセンスだと思うんです。

遺伝子組み換え作物そのものが人体に悪いかどうかは、分からないからです。1

「えー!?遺伝子組み換え作物が体に悪いって言ったじゃん!」と思いましたか?

そういう方は、読み進めてください。

 

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【無農薬の遺伝子組み換え作物は、まず出回らないと思う】

言いたいことは、僕らは「遺伝子組み換え作物を食べるときに、遺伝子組み換え作物だけを食べているわけではない」ということなんです。

遺伝子組み換え作物について

現在、行われている遺伝子組み換えを使った農業では農薬耐性遺伝子組み換えと害虫抵抗性遺伝子組み換えの2つが多くを占めています。その中で農薬耐性遺伝子組み換えとは農作物を特定の除草剤をかけても枯れないように遺伝子組み換えしたものです。

(中略)

害虫抵抗性遺伝子組み換え作物では、土壌細菌のバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis:Bt菌)のBt遺伝子を使って、作物の中に特定の昆虫が食べると昆虫の腸を破壊するBt菌を生成します。

 このBt遺伝子組み換えは殺虫剤を撒かなくていい、と宣伝されました。しかし、除草剤耐性の遺伝子組み換えで雑草にも除草剤耐性がついてしまい、除草剤が効かなくなったように、この害虫抵抗性遺伝子組み換えの場合でもBt菌が効かない害虫(スーパー・ワーム、スーパー害虫)が出現しています。ブラジルではその結果、2013年には1000億円の被害が出て、ブラジル政府が承認していない殺虫剤を使ってコントロールしようとする事態となり、大きな問題となっています。

[遺伝子組み換えの何が問題? | Alter Trade Japan]より引用

http://altertrade.jp/alternatives/gmo/gmoreasons

つまり、農薬耐性遺伝子組み換えにしても、害虫抵抗性遺伝子組み換えにしても、遺伝子組み換え作物を作る過程で「農薬」を使うんです。

遺伝子組み換え作物を、農薬を使わずに作ることも可能だと思いますが、遺伝子組み換え作物は特定の農薬を使う条件下で高収量などが期待されるように生み出されたものなので、その条件を取り去ってしまうと、収量は当然低くなります。実際、遺伝子組み換え作物だけを導入し、農薬などが高くて買えず、遺伝子組み換え作物に好ましい条件で遺伝子組み換え作物を栽培しなかったために、遺伝子組み換え作物の導入前よりも収量が落ちたという事例があります。緑の革命の失敗事例と似ていますね。

そもそも遺伝子組み換え作物を農業関連企業が広めたいのは、遺伝子組み換え作物の栽培において、遺伝子組み換えの種子や、それ専用の農薬や、化学肥料などをセットにして、そのセットを毎年、毎年、農業生産者に購入してもらえるようなビジネスのシステムを作りたいからだと思います。

とにかく、無農薬で遺伝子組み換え作物を栽培することは、期待される収量を低下させるでしょうから、商業的には行われにくいと思います。

 

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【体に悪いものの正体は?】

だから僕らは、ほぼ間違いなく「遺伝子組み換え作物+農薬」を食べていると考えるべきです。そのため、遺伝子組み換え作物そのものと、農薬の両方を考える必要があります。

 

もうお分かりですね?

 

遺伝子組み換え作物って体に悪いんですか?」ではなく、

遺伝子組み換え作物を食べることって体に悪いんですか?」あるいは、

遺伝子組み換え作物の栽培に使用される農薬は体に悪いんですか?

と問うべきだと思います。

 

そして、その「農薬」は体に悪そうですよ。

もっとも使われている遺伝子組み換えモンサント社が開発した除草剤ラウンドアップに耐性のあるラウンドアップ耐性(Roundup Ready)遺伝子組み換えですが、このラウンドアップは土壌の有機成分を破壊してしまうと警告する研究もあり、実際に遺伝子組み換えの集中耕作地域での土壌崩壊問題が問題になりつつあります。このラウンドアップがもたらす環境被害、健康被害には広範なものがあり、2015年3月20日、国連WHOの外部研究機関国際ガン研究組織(IARC)はラウンドアップを「おそらく発ガン性がある物質」(2A)というグループに分類しました。

[遺伝子組み換えの何が問題? | Alter Trade Japan]より引用

http://altertrade.jp/alternatives/gmo/gmoreasons

体に悪いどころか、土壌の状態を悪くして、作物の栽培に適さないものにしてしまう危険もあるようですね。

 

また、遺伝子組み換え作物についてですが、こちらは、色々な業界の圧力で、色んな説が出回っていますよね。遺伝子組み換え作物そのものだけでも体に悪い!という説と、それをもみ消すための批判がたくさんあります。

例えば、こちらのサイトは分かりやすいですね。

gmo.luna-organic.org

どうせ悪いんだろうな~と思いますが、「体に良い」という話は聞いたことがないので、すすんで食べたくはないですね。回避したいです。体に悪いかどうかは分からないとしても、上で述べたような農薬や化学肥料とセットになった栽培システムそのものに問題があると考えているので、出回ってほしくないですし、自分は使わないです。詳しいことはコチラの記事で。

tobitate-sanfrancisco-cuba.hatenablog.com

 

【次世代への影響は?】

遺伝子組み換え作物を食べる人自身の体だけではなくて、次世代の体への影響も心配されていますよね?これは「時期的に」まだ何も言えないと思います。たしかに、他の実験動物でデータは取れるわけですが・・・。

コチラを見て頂くと、

遺伝子組換え種子の 販売最大手である米国モンサント社によれ ば、同社が初めて植物細胞の遺伝子を組換え たのは1982年となっている9 。 この技術が実験室や隔離ほ場から離れ、農 作物の商業栽培に適用されたのは広く知られ ているように1996年からである。

[遺伝子組換え作物をめぐる世界の状況について]より引用

http://www.jkri.or.jp/PDF/2013/sogo_67_miishi.pdf

2016年は、ちょうど商業栽培に適用され始めてから20年目なんですね。

たったの20年なんです。

ということは?遺伝子組み換え作物+農薬を子供のころから食べ続けて、成長し、大人になった人たちが、ほんの数年前から子供を持ち始めているということですね。これからどういう子供が生まれてくるのか?が分かり、それが調査・研究・発表されるのが、これからだということを意味します。

 

もし仮に影響があるとすれば、怖いのはこれからだということです。それまでに、いくらかの毒は、僕とあなたの体に入っていることでしょう。そして、世界のフードシステムと農業関連企業は、それを加速させるかもしれないということでしょう。

 

僕は自分で食べるものくらいは自給したいですね。まだちょっとは毒が軽くて済むかもしれないから。余るくらい作れるようになったら、売ってあげてもいいでしょう。