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Agroecologyを勉強中!!

Agroecologyをキーワードに、トビタテ留学でカリフォルニア州で農業インターンしたり、キューバに渡航したり。生態学をフル活用した農園を作って、自給自足したい!生態系のごとく厳しく複雑な今日の農業ビジネス界で、理想を実現しながら、しぶとく生き残るためにニッチを模索中。

キューバがヤバイ?なんて考えている人たちの方がヤバイと思う。

トビタテ留学日記

キューバに行く」という話をすると、まず、「え!危険じゃない?」って言われます。理由は、たいてい「キューバ共産主義国だから」とか「キューバ危機があったから」とかなんですけど、正直論外だと思うんです。僕は、イメージではなく、歴史を学んで語れるようになりたいです。

キューバといえば、アメリカとの関係を知ることが欠かせません。それは2国が近いという地理的な理由もありますし、カストロ議長が新自由主義的なアメリカを嫌っているという理由もあります。今回は、新自由主義・市場至上主義的なアメリカと、それに対するキューバという感じで書いてみました。

 

【農業に関するキューバとアメリカの歴史】

 

ざっくりとストーリーをまとめてみます。

キューバ革命

キューバコロンブスに発見されます。

その後、スペインからサトウキビ産業と奴隷産業のために、スペインに利用されます。

独立闘争が起きて、アメリカが手助けしてキューバがスペインから独立。

でも、これはキューバを搾取するのがスペインからアメリカに変わっただけのこと。

アメリカ資本の企業が参入してキューバを搾取します。

時の指導者、バティスタは私欲のために、親米派として、アメリカの政府と企業、さらにはマフィアとつるんで、自国の農業や資源がアメリカの企業に搾取されるのを手助けします。自国キューバの農民を売って、懐を肥やす悪いヤツです。

「おぬしも悪よのー。いやいやお代官様ほどではー。」みたいな感じ?

 

2キューバ革命直後

カストロキューバ革命を起こして、悪者のバティスタを追放。

アメリカ企業に搾取され続けてきたシステムを変えるために、農地改革を行います。

最初はアメリカとも友好関係を築く予定でした。

当然、アメリカの政府・企業・マフィアは、キューバで搾取できなくなりますが、キューバの砂糖産業という、一度吸った甘い蜜は忘れられません。

 

3アメリカにとってはカストロが邪魔

カストロ政権を転覆させて、第二のバティスタキューバの指導者に仕立て上げて、再びキューバを搾取したいわけです。主にアメリカは2つのことをやりました。

 

1つめ、レッテル貼り

カストロ農地改革共産主義的として、キューバにレッテルを貼り、経済的に圧力をかけました。

たとえば米国自身が第二次世界大戦後に日本や日本の旧植民地で実施した農地改革に比べれば、ずっと穏健なものであった。にもかかわらず、米国政府はこの改革を「共産主義的」と決めつけ、結果としてキューバソ連陣営へ追いやったのである。

キューバ情勢レポート キューバと米国の国交正常化交渉をめぐって(2015年2月) - ジェトロ・アジア経済研究所より引用

 2つめ、ピッグズ湾事件などの工作

キューバ革命後の1959年後半にフィデルはアメリカの新聞に「どんな産業も国有化する意図はなかった」と語った。フィデルが明確にソビエト連邦を中心とする東側諸国への接近を企図するのは、1961年4月のピッグス湾事件の後である。

フィデル・カストロ - Wikipediaより引用

 キューバ革命時にキューバからアメリカに渡った亡命キューバ人と組んで、裏で操り、表では、亡命キューバ人がキューバの政府軍に対して反乱しているように見せかけて、カストロ政権を潰そうとして、けっきょく、それが失敗。事をエスカレートさせて、「キューバは危険」というレッテルを貼りまくります。

ピッグス湾事件後もケネディ政権はカストロ政権の打倒を目ざして、キューバ国内へのクーデター支援・政権打倒工作、ゲリラ攻撃、カストロ暗殺工作などマングース作戦と呼ばれる工作を続け、このままではアメリカ合衆国から政権を打倒されると危機を感じたカストロが、1962年5月にソビエト連邦に軍事的支援を求めて、核ミサイルの搬入とミサイル基地の建設に入り、その結果1962年10月のキューバ危機を招くに至った。

ピッグス湾事件 - Wikipediaより引用

それでも、けっきょく、いままでのところはキューバが耐えて、アメリカは搾取を再開できずにいます。

 

キューバ以外のラテンアメリカは?】

世界中が新自由主義にさらされているわけですが、他のラテンアメリカ諸国もキューバに負けず劣らずひどいことをされてきた歴史があるようですね。乱暴に言ってしまえば、アメリカの新自由主義に従わないなら「共産主義」などのレッテルを貼られ、従ったら搾取されるというような構造なのかなと思います。

かつてラテンアメリカは,米国の「裏庭」と呼ばれた。ひどいことに,レーガン大統領などは, もはやラテンアメリカは裏庭などではなく,「表庭」であるとその演説で述べたことがある。ラテ ンアメリカ諸国の国家主権に対する敬意などまるでない言辞が,平気で使われるほどラテンアメ リカは米国に従属していたのである。多くの自立を目指す政権が,ことごとく米国の干渉(軍事 的手段,非軍事的手段を問わず)により崩壊させられた。唯一の例外が,今年革命勝利 50 周年を 迎えたキューバであった。キューバは,1991 年のソ連・東欧の「共産主義体制」崩壊による援助 ストップにも耐えた。

http://202.236.120.11/ielak/pdf/kiyou09_10.pdfより引用

 

いかがでしたか?歴史って、見方によって、色々なとらえ方が出来ますよね?まさか「アメリカ=正義」なんて短絡的なお考えはお持ちでないですよね?気付いたら、新自由主義の市場至上主義によって自分たちが搾取される側になってるかもしれませんよ?農業に限らないですけど、例えばTPPで、多国籍大企業にとって有利なシステムが出来て、小規模農家にとっては苦しくなるかもしれないってことが言われるじゃないですか?それをヤバイと言いながら、大企業が搾取していた農地が農地改革によって、国民に振り分けられたことについて、「共産主義だ。キューバはヤバイ」なんて言うのは、アメリカが貼ったレッテルを信じすぎなんじゃないかな?と思います。

本当にヤバイものは何なのか?よくよく考えないと。

ヤバくなってからヤバイと言いたくないですね。

 

で、最後に個人的に、超重要なことですけど、僕はキューバ革命賛成!とか、LOVEカストロ!とかいう訳ではないです。理想が素晴らしくても、たしかにカストロさん、強硬なことやってますもん。なんなら、めちゃくちゃ飛躍しますけど、江戸城無血開城くらいのスマートさが欲しいところですよ。江戸城無血開城勝海舟様の世界情勢を見通す力のお話しには惚れ惚れしますよねー。おかげで、日本は西洋諸国からの植民地化を免れたなんて言われていますし。再来年は明治維新から150周年ですけれど、明治維新の偉人方に見られて恥ずかしくない日本でありたいですね。①新自由主義・市場至上主義に喰われるのか?②それを拒み、嫌がらせに耐えながら理想を求めるのか?③別のスマートな方法を見つけるのか?

①なら、恥ずかしくて切腹しますが、②は現実的じゃないですよね。マジでちゃんと③を考えていきたいです。もっと勉強しよー。

 

参考

山岡加奈子(2015)『キューバと米国の国交正常化交渉をめぐって』, <http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Region/Latin/Radar/Cuba/201502.html>2016年10月31日アクセス

 原田金一郎(2009)『グローバリゼーション対ローカル・エンパワメント』, <http://202.236.120.11/ielak/pdf/kiyou09_10.pdf>2016年10月31日アクセス

「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた 1-1

Agroecologyという言葉を知り、学びたい!って思ったときに、日本では絶望的に学べないということが分かり、Miguel A. Altieri教授の英語の著書をAmazonでアメリカから取り寄せたりしたのが、2年前。あまり大きな状況は変わってないかもしれませんが、2015年2月の第1回日本アグロエコロジー会議に参加させて頂いたりして、徐々に日本でも「アグロエコロジー」が市民に少しずつ広がりつつあるのかな?と思っています。カリフォルニア北部とキューバの動きに注目してきましたが、日本での動きも気になってきたので、YouTubeで「アグロエコロジー」と検索して、様々なフォーラム・シンポジウムの動画などを視聴することにしました。せっかくなので、トークの概要や、話の中で出てきたワードのリンクなどをまとめてみようと思います。

 

第1弾 

【アグロエコロジー:農と食で暮らしと地域を立て直す@アースデイ東京2016“Be the Shift!”セッションズ(2016.04.24)】より

【司会の小口さんのお話】

 

【案内役:小口広太氏(日本農業経営大学校)】

全体的なお話しだったので、箇条書きにしてみました。
日本農業経営大学校のお話
・恵泉女学院大学の有機農業の必修科目のお話
・有機農業の意味合いについて

・アグロエコロジーの目的について
1土壌の保全
生物多様性の創造
3伝統農法の再評価
4遺伝子資源の保全
5小規模・家族経営
6自給の重視

 

・日本では森林が極相。

その安定している状態を壊して、不安定な状態にすることが、日本で農業をする際には絶対に避けられない前提であるとのこと。森林よりも、耕地の方が、土壌からの栄養分の流亡は多くなってしまうので、土壌ってものに、気を使わなければいけないよねってことです。また、お話しの中に、ちらっと出てきた「土壌が滅びて文明が滅びる。」というのは、おそらく「土の文明史」のことかなーと思います。少し専門的な本ですが、とても面白い本でしたよ。

 

多国籍企業が支配する食と農
種の部分を支配されてしまうと、食と農を握られてしまうシステムの中に生きている。

・都市農業の振興について
ビッグオーガニック

大きな農業企業がオーガニック分野に入って支配しつつある現状に対しての、「ローカルなオーガニック」の取り組み。Farmers' marketとかCSAと親和性が高いと思います。

・「食べることを通じて、農業に関わっている」

 

日本農業経営大学校のリンクはこちら

jaiam.afj.or.jp

【3人のパネラーの方のお話】

 3人のパネラーの方のそれぞれのお話しは、それぞれ別の記事にまとめてみました。

 堀口さん 13分ごろ~

 石原さん 24分ごろ~

 加藤さん 34分ごろ~

 

【質疑応答47分~】

Q1:「生態系の中に自分を位置づけるということについての考えを、詳しく聞かせてください」

Q2:食についての問題はとても暗い話になりがち。楽しく解決していくことは大事。挫折しかけた話や、活動を始めたきっかけ。

Q3:それぞれのパネラーの方々の挫折を乗り越えた話をお聞かせください!

 

【結局流れちゃった“ワークショップ”とやらについて】
なんかちょっとぐだってしまったところ。
これ、World Shiftっていう活動のツールに似ているなと思ったので、リンクだけ貼っときます。どういう現状をどのような未来に変えていきたいかということを紙に書くというもの。

www.worldshift.jp


【まとめ62分~】

司会とパネラーから、シフトしていきたいことについて一言ずつ
小口さん:農業は農家の子息だけでなくても出来る!様々な手段・選択肢がある!
堀口さん:学校給食のこれからに注目!
石原さん:より環境にやさしい農業にシフトしていきたい!
加藤さん:幸せ感が多様になるようににシフトしていきたい!

 

 まだまだ日本ではなじみのない「アグロエコロジー」という言葉ですが、体系的にはまとまっていないものの、部分的にはアグロエコロジー的な考えや実践が浸透してきている感じですよね。また色々とYouTubeで検索しては、備忘録もかねて、まとめてみようと思います。

 

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「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた 1-2

「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた

第1弾 

【アグロエコロジー:農と食で暮らしと地域を立て直す@アースデイ東京2016“Be the Shift!”セッションズ(2016.04.24)】より

 

【堀口博子氏(エディブル・スクールヤード・ジャパン)13分~】

1人目のパネラーの堀口さんの、「食べることが世界を変えていくことになっていく」というお話しには、すごく共感しました。毎回の購入で、選挙のように良いと思うものを選択するという、意識的な消費者の行動が、消費社会の競争に倫理観を取り入れるために大きな役割を果たすと信じたいですね。また、菜園が学校の中心になって、そこがコミュニティの中心になっていくというアイデアは素敵だなと思いました。日本で、もっと広まってほしいです。

 

お話の中で出てきた、国際有機農業映画祭の映画、"EDIBLE CITY"の予告編はこちら。

"Food Sovereignty", "Food Justice", "Food Desert"などがキーワード。(まだまだ日本では耳にしない言葉ですよね。こういうときに、もっと英語を身に着けて、ツールとして使いたいと思いますよね。)

堀口さん曰く、草の根活動でも、政策に関わっていくことが必要になってくるというリアルな話が見どころだそうです。

「学校で行われている栽培授業はとても表層的」というご意見にすごく共感しました。
なかなか教えられる人も少ないでしょうから、難しいところですが、多摩の小学校の食育の事例についてのお話しを聞くと、広がってほしいなと思いますね。保護者も食育の活動を支援するような動きが出てきているということで、コミュニティレベルに広がりつつあるとのことで、注目したいです。

 

エディブル・スクールヤード・ジャパンとは?

私たち一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン(ESYJ)は、カリフォルニア州バークレーを拠点に、全米、および世界の教育機関とネットワークするエディブル・スクールヤード・プロジェクトの日本における窓口として承認された唯一の機関です。

エディブル・スクールヤード・ジャパン – すべての子どもたちに学校菜園をより引用

http://www.edibleschoolyard-japan.org/

 バークレーのシェパニースのオーナーとして、有機農業界隈では有名な、アリス・ウォータースさんの活動を日本に広げるために活動されている機関なんですね。アリス・ウォータースさんの本はたくさんありますが、これが一番有名かなーと思います。もともとフランス文学を学んでいた彼女はフランス留学中にフランス料理を習い、カリフォルニアのバークレーで小さなお店を始めた彼女の料理本。ジェイミー・オリバーさんの料理本と同じくらい面白そうです。

アリスのおいしい革命

アリスのおいしい革命

 
Everyday Super Food

Everyday Super Food

 

 

「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた 1-3

「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた

第1弾 

【アグロエコロジー:農と食で暮らしと地域を立て直す@アースデイ東京2016“Be the Shift!”セッションズ(2016.04.24)】より

 

【石原謙治氏(グリーンピース・ジャパン)24分~】

2人目の石原さんのお話しでは、以下の3点から、平和に貢献することができるのでは?ということでした。

1食の安全 
食べるということを通して消費者も農業に関わっているという考え。

「ハッピーランチプロジェクト」や有機野菜の給食の事例など。

生物多様性を守ること
ハチを守る活動が主。ネオニコチノイド系の問題についての取り組みと、環境にやさしい農業の支援など。パブリックコメントの活動で、アメリカからミツバチに有害な農薬の輸入をストップさせることに成功したとか。

3人の多様性を守ることができるのではないか?
人と人とが触れ合う機会が増えるのではないか?とのこと。たしかに、それはありますねー。婚活イベントで、共同作業の農業!なんてのは、結構よく聞きますね。

 

グリーンピースとは?

グリーンピースは、世界規模の環境問題に取り組む国際環境NGOです。「脱原発」と「自然エネルギーの確実な導入」、そして「持続可能な漁業と農業の実現」を最優先に、消費者や生産者とともに、企業や政府に働きかけています。特定の政治家や候補者ではなく脱原発を目指す活動を応援します。

国際環境NGOグリーンピース | 国際環境NGOグリーンピースより引用

http://www.greenpeace.org/japan/ja/

サイトを覗いてみましたが、ブログも充実していて、面白かったです。

 

「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた 1-4

「アグロエコロジー」をYouTubeで検索してみた

第1弾 

【アグロエコロジー:農と食で暮らしと地域を立て直す@アースデイ東京2016“Be the Shift!”セッションズ(2016.04.24)】より

 

加藤大吾氏(都留環境フォーラム)34分~】

3人目のパネラーの加藤さんは、四ツ谷での都会の生活から、森の中での生活にシフトされたそうです。
耕作放棄地の開拓や、ご自身で家を建てるところからはじめられたのだとか。

話の途中で出てきた、立体的な空間デザインの話はとても気になりました。それぞれの野菜が占有する場所がばらばらなように設計して、空間的すみ分けを利用するということですね。インタークロップとか、コンパニオンプランツとかは、生態学好きにとっては、たまらないです。例えば、3 sisters gardeningという、マメ、トウモロコシ、ウリ科野菜を用いる方法などは、超楽しいですよ。マメが窒素固定して、トウモロコシはその窒素を利用しながら、マメの支えとして利用でき、ウリ科もその窒素を利用して、葉を茂らせて(雑草のコントロールという意味ではつるボケもOK)、雑草に日が当たるのを遮る。でもマメ科は縦に伸びるものを用いれば、ウリ科の葉の影響はそこまで受けない。みたいな。

秋からの農業の利点も面白かったですね。霜が下りた後は、害虫管理が楽です。

様々なことに挑戦されているのが素敵ですね。「命を食べるワークショップ」、「ジビエ」「大豆の殻を羊に与えている」「羊の敷き藁をコンポスト」などなど「○○もやってまーす。」「それから、○○も。」の連続で、10分で話し切れる内容ではなかったですね(笑)

 

NPO法人 都留環境フォーラムとは?

昔の生活に戻るのではなく、今のハイテクノロジーの先にあるものを目指すのでもなく、今、そして今後の技術と昔の知恵を融合し、自然と共生する持続可能で豊かな暮らしのあるまちを目指します。

コンセプト | 都留環境フォーラムより引用

http://www.teforum.org/concept/index.html

間違いなく、帰国後に訪れたい場所の1つですね。お話をお伺いしたいです。こういうのって、ホントに、行ってみるのと、写真のスライド見てお話し聞いてるのとでは全然違いますから。

 

無農薬の遺伝子組み換え作物なんて、まず食べてないって!

アグロエコロジーを勉強中

つい先日、道を歩いていると、日本からアメリカのカレッジに留学している方々とお会いして、軽く雑談をしていたときのこと。

自分が農学部であることもあって、

遺伝子組み換え作物って体に悪いんですか?

と尋ねられました。

結論から言えば、「悪い」と答えました。ただし、文脈を汲み取った上で。

この遺伝子組み換え作物って体に悪いんですか?」という質問文は細かいことを言えば、ナンセンスだと思うんです。

遺伝子組み換え作物そのものが人体に悪いかどうかは、分からないからです。1

「えー!?遺伝子組み換え作物が体に悪いって言ったじゃん!」と思いましたか?

そういう方は、読み進めてください。

 

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【無農薬の遺伝子組み換え作物は、まず出回らないと思う】

言いたいことは、僕らは「遺伝子組み換え作物を食べるときに、遺伝子組み換え作物だけを食べているわけではない」ということなんです。

遺伝子組み換え作物について

現在、行われている遺伝子組み換えを使った農業では農薬耐性遺伝子組み換えと害虫抵抗性遺伝子組み換えの2つが多くを占めています。その中で農薬耐性遺伝子組み換えとは農作物を特定の除草剤をかけても枯れないように遺伝子組み換えしたものです。

(中略)

害虫抵抗性遺伝子組み換え作物では、土壌細菌のバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis:Bt菌)のBt遺伝子を使って、作物の中に特定の昆虫が食べると昆虫の腸を破壊するBt菌を生成します。

 このBt遺伝子組み換えは殺虫剤を撒かなくていい、と宣伝されました。しかし、除草剤耐性の遺伝子組み換えで雑草にも除草剤耐性がついてしまい、除草剤が効かなくなったように、この害虫抵抗性遺伝子組み換えの場合でもBt菌が効かない害虫(スーパー・ワーム、スーパー害虫)が出現しています。ブラジルではその結果、2013年には1000億円の被害が出て、ブラジル政府が承認していない殺虫剤を使ってコントロールしようとする事態となり、大きな問題となっています。

[遺伝子組み換えの何が問題? | Alter Trade Japan]より引用

http://altertrade.jp/alternatives/gmo/gmoreasons

つまり、農薬耐性遺伝子組み換えにしても、害虫抵抗性遺伝子組み換えにしても、遺伝子組み換え作物を作る過程で「農薬」を使うんです。

遺伝子組み換え作物を、農薬を使わずに作ることも可能だと思いますが、遺伝子組み換え作物は特定の農薬を使う条件下で高収量などが期待されるように生み出されたものなので、その条件を取り去ってしまうと、収量は当然低くなります。実際、遺伝子組み換え作物だけを導入し、農薬などが高くて買えず、遺伝子組み換え作物に好ましい条件で遺伝子組み換え作物を栽培しなかったために、遺伝子組み換え作物の導入前よりも収量が落ちたという事例があります。緑の革命の失敗事例と似ていますね。

そもそも遺伝子組み換え作物を農業関連企業が広めたいのは、遺伝子組み換え作物の栽培において、遺伝子組み換えの種子や、それ専用の農薬や、化学肥料などをセットにして、そのセットを毎年、毎年、農業生産者に購入してもらえるようなビジネスのシステムを作りたいからだと思います。

とにかく、無農薬で遺伝子組み換え作物を栽培することは、期待される収量を低下させるでしょうから、商業的には行われにくいと思います。

 

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【体に悪いものの正体は?】

だから僕らは、ほぼ間違いなく「遺伝子組み換え作物+農薬」を食べていると考えるべきです。そのため、遺伝子組み換え作物そのものと、農薬の両方を考える必要があります。

 

もうお分かりですね?

 

遺伝子組み換え作物って体に悪いんですか?」ではなく、

遺伝子組み換え作物を食べることって体に悪いんですか?」あるいは、

遺伝子組み換え作物の栽培に使用される農薬は体に悪いんですか?

と問うべきだと思います。

 

そして、その「農薬」は体に悪そうですよ。

もっとも使われている遺伝子組み換えモンサント社が開発した除草剤ラウンドアップに耐性のあるラウンドアップ耐性(Roundup Ready)遺伝子組み換えですが、このラウンドアップは土壌の有機成分を破壊してしまうと警告する研究もあり、実際に遺伝子組み換えの集中耕作地域での土壌崩壊問題が問題になりつつあります。このラウンドアップがもたらす環境被害、健康被害には広範なものがあり、2015年3月20日、国連WHOの外部研究機関国際ガン研究組織(IARC)はラウンドアップを「おそらく発ガン性がある物質」(2A)というグループに分類しました。

[遺伝子組み換えの何が問題? | Alter Trade Japan]より引用

http://altertrade.jp/alternatives/gmo/gmoreasons

体に悪いどころか、土壌の状態を悪くして、作物の栽培に適さないものにしてしまう危険もあるようですね。

 

また、遺伝子組み換え作物についてですが、こちらは、色々な業界の圧力で、色んな説が出回っていますよね。遺伝子組み換え作物そのものだけでも体に悪い!という説と、それをもみ消すための批判がたくさんあります。

例えば、こちらのサイトは分かりやすいですね。

gmo.luna-organic.org

どうせ悪いんだろうな~と思いますが、「体に良い」という話は聞いたことがないので、すすんで食べたくはないですね。回避したいです。体に悪いかどうかは分からないとしても、上で述べたような農薬や化学肥料とセットになった栽培システムそのものに問題があると考えているので、出回ってほしくないですし、自分は使わないです。詳しいことはコチラの記事で。

tobitate-sanfrancisco-cuba.hatenablog.com

 

【次世代への影響は?】

遺伝子組み換え作物を食べる人自身の体だけではなくて、次世代の体への影響も心配されていますよね?これは「時期的に」まだ何も言えないと思います。たしかに、他の実験動物でデータは取れるわけですが・・・。

コチラを見て頂くと、

遺伝子組換え種子の 販売最大手である米国モンサント社によれ ば、同社が初めて植物細胞の遺伝子を組換え たのは1982年となっている9 。 この技術が実験室や隔離ほ場から離れ、農 作物の商業栽培に適用されたのは広く知られ ているように1996年からである。

[遺伝子組換え作物をめぐる世界の状況について]より引用

http://www.jkri.or.jp/PDF/2013/sogo_67_miishi.pdf

2016年は、ちょうど商業栽培に適用され始めてから20年目なんですね。

たったの20年なんです。

ということは?遺伝子組み換え作物+農薬を子供のころから食べ続けて、成長し、大人になった人たちが、ほんの数年前から子供を持ち始めているということですね。これからどういう子供が生まれてくるのか?が分かり、それが調査・研究・発表されるのが、これからだということを意味します。

 

もし仮に影響があるとすれば、怖いのはこれからだということです。それまでに、いくらかの毒は、僕とあなたの体に入っていることでしょう。そして、世界のフードシステムと農業関連企業は、それを加速させるかもしれないということでしょう。

 

僕は自分で食べるものくらいは自給したいですね。まだちょっとは毒が軽くて済むかもしれないから。余るくらい作れるようになったら、売ってあげてもいいでしょう。

極度に一般化された仮説が、具体的な個々の事実に関する理解を歪める危険

前回のblogでは、歯切れが良いタイトルを付けたくて、「メキシコ人男性にとって下ネタ・女性話は大事な、あいさつ」なんて書いてしまったけれど、メキシコ人男性といっても、約6千万人近くいて、中には、下ネタが苦手で、それを不快に思う人もいると思う。約6千万人全員について、「下ネタがあいさつだ」なんてことは、まず言えないと思う。自分は、その全体の中の、ほんの一部を見ただけで、まるで全て見たかのようにblogを書いてしまった。

tobitate-sanfrancisco-cuba.hatenablog.com

そのことについてまず反省している。

さらに、それを公開することによって、読者にも自分と同じような理解の仕方を提供し、事実をより正確に理解するのを妨げてしまったかもしれない。

そのことについても反省している。

具体的な個々の事実・事象を体験して、一般化・抽象化し、それを頭の片隅に「仮説」として記憶し、別の具体的な事実・事象を体験する際に、その知識を用いて理解するという一連の、世の中の物事の認識の仕方と、

それを例えばblogなどで共有するということについて考えたことを披露したい。

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考える人

 

 

【一般化って、めちゃくちゃ便利】

 

まず、そもそも「一般化」した仮説が使われるのは、とても便利だからだ。
精密な数字にこだわり厳密なことを言おうとするのは意味のあることだけど、現実世界で生きる際に最良な方法かどうかは疑問だ。学問・研究の世界と現実世界での物事の考え方は、多少異なるのが、合理的だったりするんだと思う。出来るだけシンプルで便利な方法で世の中の事象を認識したくなるのは、仕方ないこと。

でも、複雑で多様な世界を「えいやっ」と雑に切って理解しやすく整理しようと思っても、そんな切り口を見つけることはとても難しい。世界は思ったより複雑で、多様で、たいてい、一般化しても、反例がゴロゴロ出てくると思う。

前回のblogでは「メキシコ人男性」というグループ化を行い、「このグループに属していれば、”一般的に”こういうことが言える」という「一般化」を行ってしまったけれど、よく考えたら、自分の友達のメキシコ人男性の中にも、その一般化の反例となるような人もいて、すぐに仮説は否定できた。

でも、たぶん、この手の「一般化」は気付かずに、ほとんど全ての人が使っていると思う。
日本人は○○だ。
最近の日本の大学生は○○だ。
トビタテ生なら、○○だ。
鳥取に住んでいるなら、○○だ。
挙げればきりがない。

そして、質の悪い場合は、そのような自分の中の勝手な「一般化」した仮説を、他人に押し付けようとする(帰納的に結論づけちゃう)。
鳥取にいるなら、すなば珈琲に行った?」とか。(スタバの方が好きなんだけど。)

(アメリカに来てから、約30回スタバに行くほど、ヘビーユーザーなので、上のようなお洒落なカードを購入しちゃったり。)


良いネタになって、気軽に会話を楽しむためになら、別に問題のないことだと思う。
でもよく考えると、たいてい反例はたくさんあって、人の場合なら、迷惑をかけられたり、思慮深くない人に傷付けられたりするという問題(人種差別とか)も出てきたりする。
ただ、偶然に上手くいく場合もあるから、何とも言えない。
ただこの場合には、自分の行動・考えを正当化したいために、具体的な事象の中で、一般的知識の押し付けが上手くいった事例にだけ目がいき、都合よく解釈するというカラクリも働いているかもしれない。

ちなみに言えば、多様な人々が一緒に暮らしているアメリカという社会で起こっている人種の問題にも、この手の極度な「一般化」が根源にあるように思えてしまう。

 

【極度な一般化に惑わされたくない!】


じゃあ、極度に一般化した仮説に惑わされないようにするためには、どうすればいいのかを考えたい。

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Yosemiteの景色

・森羅万象・無為自然だから、もう悟っちゃえば?


大前提として、万物は森羅万象で、世の中のものは常に変化し続けるし、1人の心だって無常だ。さらに、もの・人は、それを認識する人によって意味付けは変わってくる。
「世の中の移り変わるものに、意味付けをしようとすることは不可能で無意味であり、この世は「無」なのです。」みたいな悟りも1つの方法かもしれない。まったく、そう考える方が、心は穏やかでいられる気がする。世の中は複雑で多様で、無常だから、全てのものは、全てそのままにしておけばいいのです。無為自然なんです(by老子)。なんてね。

僕も無為自然な考えをするのが理想だけど、そうもいかない理屈を人はあれこれと見つけたがるもの。

 

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Natural Historyは仮説の塊。タイムマシーンが無い限り、直接経験できないんだから。化石はそっとしておけばいいじゃんなんてね。

・「一般化」も悪くはないんじゃない?

 

世の中の事象を理解するために、「一般化」した仮説が全くの無意味なものかと言えば、そうでもないと思う。
なぜなら、似たような事象は何度も起こり、体験済みの似た事象に未来で遭遇する可能性があるから

自分が体験したことを、少し一般化・抽象化しておけば、その体験に似たような事象・問題に未来で遭遇するときに、頭の隅から、それを引き出してきて少し合うように変形させて、考えのベースとし、上手い解法を効率よく導き出すことが出来るかもしれない。学習って言われるものだと思う。
自分が直接体験できることは、時間的に、空間的に、限られている。だから、自分が直接体験したものを抽象化したり、他人が直接経験したものを抽象化させたものを、頭の片隅に入れておけば、未知なる事象・問題(厳密にいえば、0.01秒後は、誰にとっても常に未知で、これまでの宇宙56億年の中のどの瞬間とも異なる瞬間。)に遭遇するときに、とても便利だ。

 

・一般化した仮説の出入りのバランス

 

ただし!頭の中に、一般化した仮説を詰め込んでおけば、それでいいのかというと、そうでもないと思う。それは、ただの頭でっかち
もちろん、だらだらと体験してばかりで、一般化した仮説を頭に入れなければ何も残らない。経験済みの類似の事象に対しても、遭遇するたびに、解法を0から考えることになるから、能率が悪い

 

・仮説を使いこなすには?

 

大事なのは、体験したものを抽象化するという作業を自分で行うということ。そして、抽象化したものを頭から引き出してきて柔軟に変形させて具体化するという作業を自分で行うということ。つまり、具体的事象を一般化して理解してインプットすることと、一般化したものを具体的事象にあてはめるアウトプットを自分で行う機会を持つことが必要なんだと思う。自分でそういう作業をした後なら、一般化・抽象化される際の、具体的な事象からの精製度(どれくらい、事実がそがれて、シンプルな構造にしたか)や、シンプルにした自分の仮説をどのように、「変形」させて具体的な事象に合わせていけばいいのかなどが分かり、仮説の使い方が分かってくると思う。
「留学」を含めて、実践的な学びは、そのためにあると理解している。

そういうことを頭に入れた上でなら、一般化した仮説を用いてもより正確な認識の仕方ができるのだと思う。
別の言い方をすれば、適切な仮説を適切に使いこなすことができるということだと思う。

 

www.tobitate.mext.go.jp  

実践的な活動を伴うところがトビタテの素敵なところだと思う。

 

【blogを鵜呑みにしないで!】

 

だから、過去の僕が体験したことを抽象化してblogに書いたことは、未来の僕や、blogの読者が、未来で似たような事象に遭遇した際に、その事象を理解する方法の一つになるかもしれないという捉え方をしてもらいたい。メキシコについての文学や歴史を深く学んだこともない僕の個人的な見解を鵜呑みにするのは、ありがたいけれど、あえて言わせてもらえば僕のことを信頼し過ぎだと思うから。

もし、精度の高い一般化を行いたければ、事象の条件を絞りに絞ったり、統計を駆使したり、全く同じなんてことは不可能だけれども、出来るだけ同じに近い別の事象にあてはめて、同じことが言えるかどうかを検証したりすることが必要になってくる。こうして得られる、真理により近い仮説が科学的理論とかって呼ばれたりする。それが必要な時には、精度の高い一般化が行われた仮説を探して使えばいい。これは論文とblogの大きな違いで、僕はblogに、精度の低い一般化で得られた仮説を披露しているにすぎないということ。でも、できるだけ事実に近いことを書きたいと思ってるから、そこだけは大丈夫!